連日フジロックやロックインジャパンなどで夏フェスが盛り上がるシーズンに差し掛かりましたね。いよいよ夏本番というかんじです。今年もいろいろなところで、いろいろなフェスが開催されています。そんな中僕が足を運んだのはMETEO NIGHTというイベントです。このイベントはアンダーグラウンド音楽シーンの重鎮Less Than TVというレーベル主催のサーキット型イベントなのです!毎年Less Than TV所属アーティストはもちろん、アンダーグラウンドで活躍する未来を担うバンドなどが一同に集結する貴重な一日となります。今年初めて行くことができました!例年のラインナップを見る限り、好き者にはたまらないメンツが揃っているイベントになっています。僕は同じバンドメンバーのGt.と2人で見に行きました!会場は渋谷O-NEST/WEST/7th Floorの3会場を使用、同じ敷地内で階段を上り下りするだけなので移動もとってもスムーズでした。
COSMIC NEUROSE
METEO NIGHT一発目を飾るのは”氷室コア”と呼ぶにふさわしい唯一無二のサウンドを展開するCOSMIC NEUROSEと言うバンド。このバンドはLess Than TVの顔とも呼べるほどで、かなり個性的な存在感を発揮しています。7月に西荻窪FLATで同じイベントに出させていただいた時に初めて見たのですが、その盛り上がりといったらすごかったですよ!初見の方も十分楽しめるエンターテイメント性を兼ね備えていました。「これがアーティストだ!」と言わんばかりのパフォーマンス、Vo.の煽りといい見ている者を嵐のように巻き込みます。
そんな彼らですが、箱の大きさなんてやっぱり関係なかった!O-WESTに行ったことがある方はわかると思いますが、3会場の中では最も大きい会場となっているんですよね。相も変わらずCNは彼らのペースで会場の雰囲気の変えていきます。ボルテージが上がっていくにつれてフロアも徐々に温まり始めました。柵を乗り越えてVo.がフロアに登場すると、オーディエンスもそれに応えるかのように群がります。このバンドが”氷室コア”と呼ばれる由縁は・・・まぁライブを見るのが手っ取り早いんですけど(笑)Vo.さんの動き、身振りが氷室京介を思い起こさせるんですよ。そうです、あの手を胸に当てて・・・みたいなやつです(笑)
本当にこんな感じなんです。でも曲は疾走感ありシンガロングありのハードコアナンバーのオンパレード。信じられないでしょう?氷室京介の歌い回しでハードコアをやるって。しかもVo.だけなんですこんなことをやっているのは(笑)楽器隊なんかゴリゴリマッチョ系しかいませんし、Gt.の方に関してはスキンヘッドで口にバンダナっていうギャングスタイルがデフォルトなのでかなりイカツイ!しかしだからこそCNの個性であり、唯一無二だというわけなんです。でもこれがかなりクセになるんですよね。何度も見たいと思わせてくれるライブを披露してくれます。ある意味で僕はもう彼らのファンです。ライブはぜひ見ていただきたい!、自信を持ってオススメできます。
演奏が終わると”投げキッス”で感謝の意を伝え、早々に退場していきました。しかしこれはまだMETEO NIGHTの始まりに過ぎません。やはりLess Than TVは変態的なレーベルだなと再認識させられました。
TIALA
ここからは目当てのバンドがO-NESTで続きました。まずはこのステージのトップバッターTIALA。このバンドは最近名前を目にして、口コミで「TIALAはかっこいいよ」という話を聞いていたのでとても楽しみにしていました。会場に入るとすでに人がパンパンの状態。かなり人気があるようです。曲が始まるとTIALAの放つオーラで染まっていきます。ハードコアの中でも知的なアレンジが多く、緻密で繊細な面も。また段々とギアチェンジしていく展開が多く、溜めに溜めて一気に爆発するといった日本語の激情ハードコアに見られる側面も持ち合わせています。envyを始めとしたプログレッシブかつエモーショナルなハードコア、killieやThis Time We Will Not Promise And Forgiveと同じものを持っていると思います。
ハードコアの熱量は確実にあるんですが、どこか静寂な雰囲気が逸しきれない、そしてTIALA独特の世界観にフロアはただ静かに見守るといった印象を受けました。
最後の最後で爆発、ドラムのビートが一気に加速しとち狂ったように速いハードコアナンバーをプレイして演奏終了。序盤、中盤でのスローテンポな曲とのギャップですね。客をこういう風に煽るのも面白いです。それまでの鬱憤を晴らすかのようにブチ切れた展開を見せていました。持ち時間約30分にして演奏したのはわずか3曲。この3曲の中にTIALAというバンドの姿がしっかりと刻み込まれていたように思います。
NERVS
女性がフロントを務めるノイズハードコアバンド。初見でした。かなり興味深いバンドだったので見ることができて良かったと思っています。O-NESTはメインのステージと後方に設置されたフロアステージが交互に進行していくスタイルでした。NERVSはフロアステージでの演奏です。TIALAが終わるや否や、ハウリングとノイズによる歪んだ音が轟きます。ちょっとワルそうな楽器陣(男性)に囲まれて一人の女性が黒髪をなびかせていました。目の周りは真っ黒に塗りつぶされ、ゴスっぽい様相。ファストでノイジーなナンバーは正直何をやっているのかわからないくらい混沌としていました。そこに乗っかる演説口調の色っぽい女性のVo.。艶めかしい雰囲気とゴス・ノイズの雰囲気、その中に見え隠れするファストでアグレッシブなHxCな要素がマッチしていました。途中ベース機材のトラブルがありちょっと調子の悪そうな場面もありましたが、怒涛の展開を押し通して勢いでフォロー。Vo.がタンバリンを使用するキュートな一面もありました。とてもアダルトなバンドでした。エロ<セクシーが正解。
Redd Temple

福島県出身の3ピースバンド。もうね、怪しい!この一言に尽きます。レコードを買おう買おうと思っていて結局買わずしてライブを見たわけですが、この3人のグルーヴは摩訶不思議/変態的でありました。不規則なビート、Gt.もBa.もそれぞれが全くばらばらのメロディを構築しており一見ちぐはぐな演奏のように感じます。彼らいわく”チープコア”を自称していて、その名の通りなんだかヘンテコなアレンジ大部分を占めています。力強さやタフさっていうのは正直皆無なんですが、芯がしっかりしているのは確かです。そしてこのめちゃくちゃに聞こえる曲調もこの3人によれば一体感が出て、1つの曲として成立するのです。良い意味でデタラメなサウンドでした。個人的にはGt.の方のひ弱そうな叫び声がかなりツボでしたね(笑)ああいうナードな一面が僕はすごく好きです。
ノリを掴むのが難しい反面、かなり技巧的ということではないでしょうか。そういう意味ではregaにも通ずる部分があると思います。よく東京でライブをしているようなのでわりと見ることができると思います。またLPは各レコードショップや、個人のディストロサイトからも流通しているので比較的手に入れるのが容易です。当ブログのリンクしているサイトでも取り扱いがあるのでよければチェックしてみてください。
余談になります。一緒に行ったうちのバンドのGt.はRedd Templeでチケットを取り置きしてもらったのですが、なんとディスカウントしてくれまして本当にありがたかったです。直接お礼ができなかったので、この場で感謝申し上げます、ありがとうございました!
OFFICE VōIDS
僕のバンドのGt.とBa.がオススメしてくれたOFFICE VōIDS。ショートチューンのハードコアナンバーを連発。フロアステージだったのでオーディエンスにも熱が入り、かなりハードコアショーらしい光景となっていました。音源よりもライブの方がキャッチーに聞こえました。かなり聴きやすいハードコアだと思います。日本の風土的に耳触りの良い音楽は万人ウケする傾向にありますね。海外でのメロディックハードコアとは違った、ハードコアの中にキャッチーな要素をつまみ入れるのが日本人はとても上手だと思います。Vo.さんが台湾の反原発旗を掲げていました。先日、Less Than TVが台湾で主催するイベントに出ていたようです。そういうメッセージ性も強いバンドでした。フロアもかなり盛り上がっていてこの辺からO-NESTの人の数と熱気がかなり高まっていたと思います。僕は次の透明雑誌に備えてステージ最前付近を確保していたので、OFFICE VōIDSは後ろから眺めていました。
9月7日に早稲田ZONE-Bでライブをやるそうです。この日のメンツがかなりアツくて、この前僕たちが一緒にライブをやった大阪のmanchester schoolというバンドもやってきます。そしてTAMA SONICも同日に行われるのでみんなでハシゴしましょう!(笑)
透明雑誌(from台湾)
ここ日本でもかなり知名度が上昇しているであろう透明雑誌。レンタルショップやCDショップでも取り扱いがあるのはかなり珍しいですよね。しかも台湾のバンドで。来日もこれが初めてではなく、数年前からチラホラと。アルバムとEPどちらも聴いていて、かなり良いバンドだなぁなんて思っていました。よく”台湾のNUMBER GIRL”と言われているみたいですね。メンバー自身も銀杏BOYZやV/ACATIONのような日本のバンドを好んで聴いているようで、その辺が曲作りにも影響されています。
そういうのもあってライブはとても楽しみにしていました。OFFICE VōIDSの段階で透明雑誌に備えて人がどんどん増えていき、特に最前付近では女性が多いこと!「うわぁすげぇ・・・」なんて呑気なことを考えていたら、ステージ上のメンバーを見てあぁ納得。フロントマンも台湾の好青年っていう感じだし、とにかくドラムがイケメン過ぎました(笑)同じ男ですけどあの人はかっこよかったなぁ・・・あれこそイケメンって言うんだぜ、覚えとけ!(最近何でもイケメンっていう風潮に嫌気がさして)
・・・と、そんなことはどうでもよくて肝心の演奏の方ですがエナジー溢れるものとなっていました。若いだけあってとてもエネルギーに満ち溢れています。この日ずっと見てきたラインナップの中ではかなり爽やかな歌もの、ギターロック!という感じでした。ただ下北沢直系の歌ものというわけではなく、パンクロックの持つ熱量、そういうものを帯びているだけあって時折牙をむき出しにした荒々しい展開なんかもあります。そこがHxC好きやパンク好きを引き付ける要因にもなっているんじゃないでしょうか。パンクに通ずる荒っぽさや熱さがあり、歌もののサラッとした耳馴染みの良さ、このへんの塩梅が素晴らしいですね。
セットリストは透明雑誌リスナーでは定番ソングを連発。僕はEPに収録されている"ノラネコ”という曲が聴けて超満足でした。
この曲は名曲だと思っています。ラストサビ前のノラネコっぽさの表現力が秀逸なんですよね。
最後は絶対やるんだろうなぁって思っていた"透明雑誌FOREVER”でシメました。
「次はみんなのV/ACATION!」
V/ACATION
盛り上がりがピークに達した瞬間だったと思います。それはもう海外のハードコアショーを見ているような景色でしたよ。O-NESTがHxCキッズで埋まり、フロアの中心には大きなピットが出現。中心にいた人は跳ね除けられて、V/ACATIONワールドへようこそ状態。お祭り騒ぎとはこのことを言うのでしょう。Minor Threatを始めとした80年代ハードコアにインスパイアされたようなファストかつ攻撃的なセットリストの応酬。Vo.さんは額にバンダナを巻いたNYHCスタイル、自らピットインしてオーディエンスへの着火剤となりフロアはますます爆発。4歳くらいの小さい子を3人ほど見かけたのでちょっと危険を感じて心配だったのでステージに誘導してあげました・・・(笑)さすがにあの暴動状態の中二回りくらい小さい子どもが耐えられるわけないですからね。
MCでは自らのスタンスや考えについて、もっとDIYで在り続けろというメッセージも。終始V/ACATIONの勢いに飲み込まれたO-NEST一帯。この時の熱量はすごかったですよ~。僕はよくFESTやSound & Furyのような海外フェスの映像を見ているんですが、日本でもこういう光景が見れるんだ!ということにとても感心しました。ハードコアはやっぱりかっこいいなぁと再認識。
CARD
3時間近くO-NESTにこもりっ放しで、ようやく外に出てみるとものすごい待機列が!おそらくOFFICE VōIDSあたりから混雑していたようです。一番最初にCOSMIC NEUROSEを見たO-WESTに移動。ここではJUDGENETEO NIGHTという企画が進行していて、各レーベル代表アーティストが一同に会すステージとなっていました。O-NESTに比べて人も少なく、涼しかったです(笑)ここではStiffslack代表として奈良のCARDがライブをしました。
いやぁ~とっても良かった!さっきまでの暑苦しい雰囲気とは一転して、透明感のある静かな雰囲気。照明も青暗くて水族館みたいでした。実はCARDを見るのは二度目で、初めて見たのは去年のぐるぐる回るだったんですね。(このイベントにもLess Than TVのバンドが出ています)この時はなんの知識もなくておまけに眠気がすごくてあんまり覚えてないんです・・・(笑)今回はアルバムも買って聴きこんでいたので、違った角度から見ることができたと思います。1曲目はアルバムの冒頭を飾るPassから。この曲すごく良いですよねぇ。ノリも良いしキャッチーです。CARDの曲は基本的にはキャッチーで聴きやすいです。90's Emoに歌もの要素が良い塩梅で取り入れられているので、静寂ながらもしっかりとロックしています。やっぱり演奏している曲がわかると楽しみ方も変わってきますね。CARDがすごく好きなのでこの機会に見れて本当に良かったと思います。透明雑誌とCARDが今回のMETEO NIGHTで強く印象に残っています。
MCではライブの告知をしていました。9月14日に下北沢threeでmy exというバンドのレコ発に帯同します。このmy exというバンドですが僕の周りでも興味をそそられている人がいるようで、僕もまだ聴いたことないんですが勝手にハードルがあがっていて「すごく良いバンドなんだろうなぁ」と思っているのでとても楽しみです。
SAFARI
一通り目的のバンドは見れたので少し物販を覗いた後にO-NESTに戻りSAFARIを見ました。このバンド、なんとボーカルを務めるのは俳優の浅野忠信なんですよね。しかもこのバンド、調べてみたら結成が1999年でアルバムも3枚リリースしているようです。しっかり活動しているうえにキャリアもあります、FUJI ROCKにも出演経験があるみたいでもはや一バンドマンとしての浅野忠信が垣間見れました。それどころかこのバンド以外にも別名義で活動しているバンドがいくつもあるそうなんです。
SAFARIはハードコアパンクバンド。ブライアン・バートンルイス(ラジオDJや音楽雑誌の関係者)という人物とのツインVo.スタイルで80年代HxCのようにドタバタしたファストチューンが展開されていきました。僕は俳優としての浅野忠信しか知らなかったのでこんなに間近で、しかもハードコアバンドをやっている彼を見れたのがとても新鮮です。ここでは俳優としてのオーラは微塵も感じさせないほどにバンドマンであり、また自身も「俺は特別じゃない」と言っていました。けっこう言いたいことを言うスタンスで、テレビで見る浅野忠信とは違った側面もありギャップを感じました。アーティストもパフォーマーであるという点では、彼の長年培われたエンターテイメント性がここに活きていたと思います。こういうバンドが出ているあたりLess Than TVだなぁという感じがしますね。
THE DEAD PAN SPEAKERS
シンセサイザーをとりいれたサイケデリックなポストロック風バンド。時間の関係で途中までしか見れなかったんですが、4人のグルーヴは圧巻でした。ほぼ歌なしで楽器隊だけで構築された巧みなプレーが印象的です。
11月にゲバ棒とHorse&Deerの共同企画がありますが、その企画に出るようなので改めて見たいと思います。あ、この日の企画はメンツがとんでもないことになっていますのでぜひチェックしてみてください。
以上、こんな感じで10バンドほど見れましたかね。とても楽しかったです!来年は最後までゆっくり見ようと思います。7th Floorのザ・なつやすみバンド見れなかったのが唯一の心残りですかねぇ。それからセクシー女優の星咲優菜ちゃん(前田優希)が来ていたらしいですね!会ってみたかった・・・って違うか。あとFUJI ROCKやロッキンに行く人は多いんですが、やっぱりMETEO NIGHTに行きたいっていう人は周りにあまりいないです。まぁこの界隈のバンドを知らないとちょっとためらいがあるかと。でも、もしこのレポで興味を持ってくれたら嬉しいです。そして来年一緒に行きましょう!(笑)僕は未だに大型の夏フェスには行ったことないんですが、毎年夏は小さなイベントで充足感を得ているのでそれもそれで良いかなと。去年はアイドルな一年だったのでTIFに行きましたし。いろいろな音楽に触れる機会に恵まれています。次は今月15日のDuck. Little Brother, Duck!の八王子場所に行きます。これもめちゃくちゃ楽しみ!物販で散在確定ですわ(笑)
しっかし渋谷という町は本当に慣れない・・・都会嫌いじゃ!←
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